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伯母のなきがら、風に揺れる白いカーテン淡い午後のひかり、
伯母の好きなハーブの匂い死のにおい、死してなお微かに赤い頬 闘病で細く、
うすく血潮や肉が透けていると私は知らず、あなたの頬をなでた。
笑うと更に赤みが差す、あなたの頬が好きだった。やさしく、
たおやかな樹木のようなりんごのようなあなた、私の、伯母さん。
こんなにやせて、身体はほっそりしてしまって今、この世からあなたは
変わらぬ笑みで遠くのほうで、りんごのようにぴかぴかとわらっているのだ、今も。
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